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2021年03月23日
不動産売却の知識とノウハウ

家の査定はどこを見る?不動産査定の注意点とポイントを函館市の不動産業者が解説します。

不動産会社から査定結果の報告を受ける際に、査定書のどこに注意を払い、何を確認すべきでしょうか?

納得のいく不動産売却をするために、不動産業者から査定報告や説明を受ける段に、売主として押さえておくべき注意点を予備知識として身につけましょう。

他では書かれていないポイントを習得することで、家を高く売るコツも学べます。

では、早速、不動産業界歴25年の宅地建物取引士が査定の注意点やポイントについて解説します。
 

1.査定に使われる用語の意味

不動産売却において査定額という言い方は広義に使われており、ここでは売主様への説明の際に使い分けする三種類の用語について触れておきます。

①査定価格とは

おもに構造、築年数、床面積等のデータを入力し、コンピューターの計算システムにより事務的、機械的に求めた建物の積算価格です。

②成約予想価格とは

需要が高いか低いか、あるいは売りにくいマイナス要素を抱えているかなど、いわゆる市場性を踏まえ、不動産業者が成約できると予想する価格の範囲を指します。
この成約予想価格帯は、需要の察知力や経験値などにより業者によって差が出るところです。

③売出(うりだし)価格とは

「多少安くしても早く売りたい」、「じっくり構え、買い手を選定したい」などといった売主様の事情を踏まえて決定される、広告に出す金額のことを売出(うりだし)価格と言います。

一般的に、この売出価格のことを査定額と呼んでいます。

2.家(戸建て住宅)の査定の注意点とポイント

一般的に、中古の一戸建ては原価法、またマンションでは取引事例比較法により査定結果が求められます。

原価法や取引事例比較法の解説はこちらをご参照ください>>>

ここでは、戸建て住宅に焦点を絞って解説をすすめます。

 

店舗や工場などの事業用建物を除き、住宅の場合は原価法によって建物の査定価格(積算価格)を求めます。

多くの宅建業者は、公益社団法人不動産流通推進センターが開発した「価格査定マニュアル」と呼ばれるポピュラーな計算システムを利用します。

おもに、建物の構造種別、築年数、床面積、リフォームの有無などに関する項目についてチェックしますが、算出結果は業者による違いはほとんど出ることはありません。

但し、次に紹介するポイントでは不動産業者によって差が出るところなので、注意を払いましょう

①土地の評価は、ここに注意!


土地の評価については差が出やすくなります。

不動産会社によって異なりますが、査定計算を人工知能AIにより求めた場合は、平均値や中央値であることが多いので注意が必要です。

どの地域でも、成約事例の坪単価には最大値と最小値があります。

最大値で売れた土地と査定対象の土地を比べて、物件の個別要素にどんな差異があるのか、あるいは売主側に売り急ぎなど個別事情があったのかなど、この分析が出来ていなければ、「もう少し高く売れたのに、安く売ってしまった」ことも起こりうるのです。

同一エリア内における坪単価の最大値と最小値には、その金額で取引された理由があります。

つまり、短絡的に平均値や中央値を「最適解」と理解しないように注意が必要です。

② 実需や市場性が反映されているかに注意!

査定を行なうたびに毎回思うことですが、わが社の場合、査定価格は成約予想の下限値であること大半です。価格査定マニュアルに基づいて機械的に求められた結果なので致し方ないのでしょう。

実際の不動産売却の現場では、実需や市場性を予測し成約予想価格を立てますので、査定価格の5%から20%まで上乗せすることもあります。根拠ありきの売出価格設定なので、売れる自信があってのことです。



不動産は同じものが二つとない個別特性を持つ商品であるため、AI査定や価格査定マニュアルに反映されない“市場性”という要素が価格を大きく左右します。


まさに、不動産業者の「腕」にかかっているとことを表しています。

いずれにせよ、査定額や売出価格提示の際は、不動産業者から根拠や理由について丁寧な説明があると思いますので、理解に難しいことはありません。

 

3.査定説明を受けたら、販売戦略を尋ねてみよう!

販売戦略の考え方により、不動産会社の営業方針や独自の業務サービスに対して歴然とした違いが出るので、ここは重要ポイントになります。


かつて、不動産業者は買い手を見つける役目を担っていれば良かった時代があります。

しかし、わが国の人口減少は拍車がかかり、内需経済も停滞、目に余るほどの空き家問題等を背景に、「不動産を売りたい人はたくさんいるけど買う人がいない」状況に変遷しています。
 

よっぽどの好立地で人気物件であれば話は別ですが、類似物件が数多く売り出される中、周囲の売り物件に埋もれることなく、いかに買い手に着目してもらえるかが勝負の分かれ目になります。
 

言い換えれば、従来通りに物件情報をインターネット上のウェブサイトに掲載するやり方では効果が薄く、類似物件との競争に勝つための工夫が求められます。


 

これからの不動産仲介業者に求められるのは、市場分析力+付加価値創造力です。


多くのメディアに広告を出せば売れるものでしょうか。このやり方は20年も30年も昔から続いている旧来のやり方と何ら変わらないと思いませんか。

消費者は、販売している商品やサービスの質(価値や魅力)と対価(売出価格)に納得してこそ購入の意思決定をするのです。
 

取り扱う媒体を増やし、多くの人の目に留まれば売れる時代は終わりました。

商品や製品(不動産)の魅力を最大限に引き出し、価格以上の価値を感じてもらうために、どのようなアプローチを取れるのかが不動産営業の腕であり、それができる業者が売主様を不動産売却成功に導けるのです。

 
査定を依頼した不動産会社が得意とする販売方針や戦略を説明してもらい、実効性が高いかどうかを確かめてみてください。


4.売却の諸手続きや準備に際しての注意点

①権利証等、重要書類の確認

・権利証(登記識別情報)保管の有無

・建築確認及び検査済証保管の有無

 
「あると思っていたけど、実は紛失していた」ってケースは、意外にあるので、今一度確認しておきましょう。なお、紛失してしまった場合の対処法は、関連記事で詳しく紹介しています。

 

【関連記事】

中古住宅を売るときに、設計図や建築確認済証等が無い場合の対処法
 
不動産の権利証(登記識別情報)が見当たらない、紛失したときの対処法

②土地や建物の欠陥、不具合情報の告知について

査定時の面談で、不動産業者の担当に土地や建物の欠陥、不具合情報についてをお話しされている方が大半かと思いますが、もしも伝え忘れやモレがあったら、随時伝えるようにしましょう。

このことは販売戦略にも関係するので、不動産業者としては売り出し前に把握しておきたい事柄です。

売主は販売活動が始まる前に物件状況確認書(告知書)に内容を記入しておく必要があります。詳しくは関連記事でご紹介しています。
 

【関連記事】

不動産売却でトラブルを防止するために、売主が注意すべきこと

5.売主として必要な登記手続きは?

①相続登記の完了確認

親(被相続人)の財産のうち、実家などの不動産が含まれる遺産を相続する場合は、兄弟姉妹など相続人間で円満に話し合うことが必要です。

不動産仲介に携わる実務家の意見としては、単独登記にしておくと、その後の運び方がスムーズです。

なお、共有登記で売主が複数いる場合に、買い手がついてから共有者同士で揉めてしまい、売主側に帰すべき理由で破談になった例もありますので、依頼される不動産業者に助言してもらうようにしましょう。

 

②住所変更登記の必要性

不動産を取得した当時からお住いの引越しがあったために、登記事項に記載している住所が現住所と異なる場合があります。

事前に所有者自身で最寄りの法務局で済ませるか、または買主が所有権移転登記を申請する際に司法書士に依頼して同時に実施するか、いずれにしても住所変更の手続きが必要になります。

自身で住所変更登記を行なう場合は、1つの不動産のつき収入印紙が1000円かかります。中古住宅などを売却する場合は、土地と建物の計2000円の印紙代が必要です。

なお、婚姻により姓が変わった場合も住所変更と同様に、手続きが必要となります。

③抵当権の抹消登記について

登記簿に、抵当権もしくは根抵当権が設定されている場合に、完済済みか、ローン残債があるかによって対処法が異なります。

完済済みなのに、まだ抵当権の抹消手続きを済ませていない場合は、融資を受けていた金融機関から抹消登記に必要な書類を交付してもらえます。

また、不動産の売買代金をもって同時に抹消する場合は、不動産会社の営業担当を通じて、金融機関や司法書士の手配を行ないますので、あらかじめ打ち合わせしておきましょう。


【関連記事】

不動産売却時の諸費用を徹底解説

6.最もトラブルが多い、土地の境界確定と越境に関すること

・境界確定
・越境の有無
・隣接地所有者との協議と協定書の取り交わしなど


不動産取引におけるトラブルで最も多いのが、敷地境界線をめぐる紛争です。

万が一、コンクリートブロック塀などに越境があった場合、その工作物の所有者が自分か隣接地所有者かに関わらず、円満に協議を整えたうえで買主に引き渡さなければなりません。

将来、紛争に発展しそうな芽を残したまま、買主に売り渡すことはできないので、土地家屋調査士に依頼し、境界の確定をしておく必要があります。


【関連記事】

土地の売却時に境界測量が必要な理由


土地の境界線付近に隣地の越境物。トラブル解決のための実践対応。

7.引き渡し時の残置物について

買主に建物を引き渡す際に、現地に残しておくもの、または撤去搬出するものがある場合は、あらかじめ内訳をお聞きしています。

エアコンやストーブ、照明器具などは、付属しているものという認識を持たれる方が多いので、「付いていると思っていたのに、取り外されていた。説明もなしに…。」といった事態を招かないように、内覧時にお客様に説明するためです。


また、庭木についても、売主が移転先に移植されることもありますので、あらかじめご計画がある場合はお話ください。

 

8.まとめ

不動産の売却において、売主と不動産業者が協議する事柄は意外に多いものです。細かい打ち合わせの積み重ねは、安心安全な取引につながりますので、意思の疎通は欠かせません。


特に、対象物件の販売戦略やトラブル回避のためのリスク管理面における説明では、不動産会社による違いがハッキリわかる部分なので、査定結果の報告を受ける際に積極的に確認することが望ましいと言えます。

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この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
函館ラ・サール卒。商船系データ通信会社から建築・不動産産業界へ転身。宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
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