不動産売却はどこがいい?「失敗しない不動産仲介業者選びの秘訣」
不動産を売却するとき、どこに仲介を依頼するのがいいのでしょうか?良い不動産業者との出会いは最重要な命題です。
経済成長が頭打ちとなった人口減少時代、つまり買い手市場となった現代の不動産市況では、マーケティング力を備えている不動産仲介業者を選ぶかどうかで不動産売却の成否が大きく変わります。
ここでは、不動産の売却で「失敗しない不動産仲介業者選びの秘訣」を解説します。
時代背景が変わり、不動産仲介業者の選び方に変化が!?
不動産を売却するときに、売主から依頼を受けた仲介業者の役割は、買い手を見つけることです。これは今も昔も変わりません。
高度成長や好景気の時代は需要より供給が少なかったため、不動産業者は買い手を見つけることに、さほど苦労はしませんでした。顔が広い、人脈のある営業マンや不動産会社が業績を伸ばしました。
ところが、人口が減少し内需が停滞、空き家が増加の一途をたどる現代においては、需要より供給が多くなり、買い手市場へと変遷してしまいました。つまり、従来の営業手法では成約に結び付けられなくなったのです。
これにより、ますます「不動産会社選び」の重要性が増したのです。
では、何を決め手にして探せばよいのでしょうか。
不動産業者選びは、7つの視点で失敗を防ぐ
この視点を持たずに不動産会社を選んでしまうと、ほぼ高確率で失敗を招きます。
「なにか違うなぁ」、「悶々とする、スッキリしない」、「不満がある」などの感情を抱かなくても済むように、かつ満足度が高く納得のいく不動産売却を進めるために、どうやって優秀な不動産営業に担当してもらうかについて7つの視点を紹介します。
①専門知識や経験が豊富である
正しい知識は、安全安心な取引を行なうためには不可欠です。
専門知識や経験が豊富な営業マンは、売主・買主両方にとって不要なトラブルを回避し、あなたを守ってくれることができます。
②誠実で信頼がおける
物事の良いところばかりでなく、短所や悪い面などネガティブな情報を包み隠さずに開示または誠実に助言してくれる営業マンに、買い手は「この人を通じて、物件をお世話してもらいたい」と考えます。
③調査スキルが高い
上記①と同様に、調査スキルが高いということは、トラブル回避能力が高いことを意味するので、安心して取引を任せられることになります。
④問題解決スキルが高い
売主ばかりでなく買い手の悩みを解決してくれます。また、同時に交渉力にも長けているので、土地の越境交渉等の場面で関係者との調整がスムーズに運びます。
⑤市場分析スキルが高い
市場分析スキルが高ければ、適切な成約予想を立て、売り出し価格を提案してくれるので、売却成功に向けた重要な要素となります。
⑥口コミや評判が良い
ホスピタリティが高く、お客様や関係者からの信頼に厚く、協力者が多いところが特徴です。業務や取引が円滑に運ぶ要因となります。
⑦マーケティングスキルが高い
「あの不動産会社を選んで正解だった」と思えるには、これら7つの基準をクリアしているかどうかがポイントです。
その中で、マーケティングスキルの高さが最重要ポイントになります。
物件の魅力を最大限に引き出し、それを広告に活かすスキルをもっているので、現在の供給過多の情勢下では、不動産営業が持ちあわせていなければならない能力です。
不動産業者のマーケティングスキルの判別方法とは?
結論を先に述べると、広告づくりに力を入れている不動産業者かどうかです。
世間の大半のインターネット不動産広告は、見渡せばどんぐりの背比べ状態。せいぜい写真の枚数が多いかどうかの違いくらいです。
では、なぜこのような状態が続いているのでしょうか。
①自社所有の物件(商品)ではなく、仲介物件だから
②同業他社も、そんなに力を注いでいないから
③売れるかどうかは価格次第と考えているから
④手間をかけず、楽して売りたいから
⑤写真の枚数は増やすけど、紹介文なんか考えるのは面倒くさいから etc
例えば、新築の分譲マンションや建売住宅の広告を想像してみましょう。カタログ等の紙媒体においては立派な冊子が作られます。財閥系の大手不動産会社が事業主の新築分譲マンションでは、惚れ惚れするレベルのインターネット広告を打っています。
魅せる広告を作る理由は何か?
それは、なにがなんでも売り切ることを前提にしているからです。そして、これらに共通するのは、すべて自社の商品であるということ。
では、この手法を仲介物件の売却に活かしたらよいのでは?と考えますよね。
なにしろ、これをやれば売れる確率がグンと上がるわけですから。
ところが、現実はそうなっていない。これが現在の不動産販売における実態なのです。
解決策があるのに着手しない(できない)のは、それぞれの不動産業者のお考えなので、あれこれ語るつもりはありません。
しかしながら、買い手市場である現代の不動産市況において、あなたの不動産の付加価値を高めて売れやすくするための施策の第一義は「不動産広告が重要な鍵を握る」ということを覚えておきましょう。
ちなみに、不動産業者のマーケティングスキルの差が、実際の売却にどうのような影響を与えるものなのでしょう?以下に、おもな実例を紹介します。
①4000万円で売れる区分所有マンションを3000万円で売ってしまった。
②1180万円で売れる一戸建てに対して、900万円台に下げないと売れないと売主に提案した。
③950万円で売れる木造一戸建てに対して、780万円の売出価格を売主に提案した。
上記のいずれも、売主にとっては歓迎しないことばかりです。
【関連記事】
家が売れない原因は「価格」ではなく「広告」だった。すぐに値下げするのは失敗のもと!
【脱失敗】中古戸建やマンションの不動産売却を成功に導く7つの戦略
不動産業者選びのQ&A
①大手不動産会社と地元業者では、どちらがいいの?
答え:会社の規模は関係ありません。
■大手の長所短所
・知名度と実績は豊富
・業務が分担化されており、会社としての総合力は高い
・物件の囲い込みをする傾向が強く、社会問題化している
・会社に寄せられる案件数が多いので、1案件にじっくり時間をかけられない
■地元や小規模業者の長所短所
・物件の囲い込みはしない
・ひとりに要求される業務が多いので、個のスキルは大手より高い
・大手ほど忙しくないので、1案件にじっくり取り組める
会社の規模が関係ないと言える理由は、次のとおりです。
・大手は顧客が多いように思われますが、現代では買い手はインターネットで物件を探すので、いきなり店頭に出向くことはありません。また、社会問題化している大手特有の囲い込みの問題があるので、売主視点で見ると間口を狭めていることになるからです。
・小規模で新規に開業した不動産会社の代表は、かつて大手不動産会社で営業の主力だった人間が大半です。また、顧客第一主義を貫くために、組織の理不尽さからの脱却が独立開業の理由だったりします。
【関連記事】
②一般媒介と専任媒介では、どちらがいいの?
答え:優秀な不動産営業に担当してもらいたいなら専任媒介です。
例えば、同じ物件を不動産会社3社が扱うということは、成約確率はそれぞれ3分の1です。
ということは、その会社で決められない可能性つまりギャンブル性があるので、会社規模の大小を問わず、主力営業マンには徒労に終わる可能性がある一般媒介の案件を担当させることはありません。
一般媒介は新人や経験の浅い営業マンが担当します。
優秀な営業マンは、
① 多忙を極めるので決断が速い
② 売上構成は会社の名簿(情報)に頼ることなく、紹介客が占める割合が高い
③ 顧客の期待と信頼に応えることに重きを置いているので、業務の品質とスピードにこだわる。
④ 専任媒介の案件が主である。
立場は営業職ですが、専門性の高い職人とほぼ変わりません。
【関連記事】
結論
これまでのあなたの人生の中で、「なんだかんだ言っても、やっぱり人だよね」と思えた瞬間は数限りなくあったはずです。
大事なのは、会社の規模や看板ではなく、
実際にあなたのことを考え、汗をかいてくれる担当者です。
不動産会社選びにおいても、その本質は変わりません。
会社より何よりも、まず担当者で選ぶ。
そして、業者の不動産広告=マーケティング力を見れば、有能な会社かどうかを判別できます。
あなたが良い不動産業者に出会えることを切に願います。
この視点を押さえれば、不動産業者選びに失敗ナシ。
関連した記事を読む
- 2022/01/28
- 2022/01/04
- 2021/12/23
- 2021/12/17