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2020年03月07日
不動産売却の知識とノウハウ

不動産の「訪問査定」と「簡易(机上)査定」の違い

不動産査定における「訪問査定」と「簡易(机上)査定」の違いを解説します。

これを読んでいただくと、訪問査定の重要性について一層理解が深まります。

簡易(机上)査定

現地確認をせずに、机上計算で査定結果を求める査定です。簡易査定のほか机上査定と呼ぶこともありますが、どちらも同じ意味です。



土地は路線価や付近の地価公示に基づいて計算を、建物は構造や延床面積、築年数に基づいて算出します。

 

現地で建物の内外を確認せずに机上で計算するものですから、手入れが行き届いた建物とそうでない建物も、残念ながら簡易査定では同じ結果になってしまいます。

物件の個別要素や売主の個別事情が反映されないため、簡易査定の結果は意味をなさず実用性も乏しいため、依頼される方は少ないのでないでしょうか。

 

また、最近では、人工知能AIによる不動産の“1分査定”や“簡単査定”を行なうサイトがありますが、不動産売却を検討されている人の名簿集めに近く、まだ売却の意思も固まっていない段階からサイトに登録する不動産業者からのアプローチを受けることになる恐れもあるので、むやみに手出しはしないほうがいいでしょう。


 
「不動産会社の訪問査定を受けるまでもない」、あるいは「今の段階ではまだ、不動産会社にコンタクトを取りたくない」といった場合で、おおよその値ごろ感を掴んでおきたい方は、不動産会社のウェブサイトやポータルサイトを閲覧してみることをおすすめします。



同地域の類似物件が、いくらで売りに出されているか、どのくらいの期間で売れたか等をチェックすれば、全体像は把握ができると思いますので参考にしてみてください。

 

なお、お住いの地域で土地の取引価格を調べるには、どなたでも閲覧できる政府系サイトがありますので、関連リンクをご紹介しておきます。

 

【関連リンク】

国土交通省 不動産取引価格情報

国税庁 路線価図・路線価倍率表

路線価は、おもに相続税の計算に使用する価額で、通常の取引の査定基準として使用しません。

但し、実勢相場の予想する目安として、路線価÷0.8=実勢相場の目安 という使い方もできるので、試しに調べてみるのもよいでしょう。

 

訪問査定

先述の簡易査定とは異なり、より精度の高い査定額を算出するために、訪問査定では以下に掲げる項目について入念に調査を行ないます。

① 物件の個別要素

土地と建物の個別要素について、現地調査で確認するおもな項目をご紹介します。

<土地に関すること>
・接面道路の種類(公道、私道等)
・道路幅員や道路負担の問題
・敷地の方位
・敷地の高低差
・土地境界標の有無や越境問題
・再建築は可能か
・上下水道本管の道路敷設状況
・庭や車庫などの外構工事の有無やグレード



<建物に関すること>
・建物の構造(工法)や規模(床面積)
・建物を施工したハウスメーカーのランク
・建物の維持管理、保守の状況
・リフォームや修繕の履歴
・建物外観や室内のデザイン性
・付帯設備や装飾品のグレード
・建築確認済証や検査済証の有無
・不具合や故障の有無

 

この現地調査のほか、市役所の建築行政課や水道局、また法務局等でも調査を行ないます。

なお、不動産査定時における「売主の必要書類」について、以下の関連記事をご参照ください。
 

【関連記事】

不動産査定に必要な書類について解説

② 売主の個別事情

以下に、売主の個別事情について、不動産業者がヒアリングさせていただく内容をご紹介します。

ア) 売却理由
・買い替え(住み替え)
・任意売却
・相続税支払いのため
・離婚による財産分与
 

イ) 売却期限(期間)
いつまでに売却しなければならないか


ウ)ローン残債の有無
住宅ローン残債の有無や売却後にいくら返済しなければならないのかなど。

 
訪問査定では、担当者は上記項目について調査した結果を踏まえ、「需要はあるか?」、「いくらで売れそうか?」、「根拠に基づいた客観的な数字か?」など多面的に検証し、市場性等を補正したうえで査定報告書を仕上げます。

 

③不動産業者による補正要素



査定金額は、①「物件の個別要素」、②「売主の個別事情」、③「不動産営業担当者の補正要素」によって構成されます。

 

③の不動産営業担当による補正は、知識や経験値、需要を見抜く市場分析力とによって加減調整される重要なポイントとなります。

 

実際に、査定額を無視して売り出した結果、失敗を招いたケースもありますので、注意が必要です。詳しくは関連記事をご参照ください。

 

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この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
函館ラ・サール卒。商船系データ通信会社から建築・不動産産業界へ転身。宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
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