9:00 - 18:00
日曜・祝祭日
2020年01月25日
不動産売却の知識とノウハウ

古い家がある土地の売却で、「建物付き」と「更地」の固定資産税の違いを比較

不動産の売却を計画した時点で、土地の上に古い家がある場合は、建物を取り壊して更地に場合と、建物がついた状態で売る場合で固定資産税にどのような違いが出るのでしょうか?


ここでは買い手が決まって成約、そして引渡し日を迎えるまでの売主が負担するランニングコストについて解説します。

古い家を残したまま売却するのは、需要を逃さないための販売戦略

古い家がある土地を売るとき、買い手は既存の建物をリノベーションで再生させて気使用するか、または取り壊して家を新築するかの二択になります。

 

「築30年を超えた家は、リフォームするにも多額な工事費が掛かるだろうし、古い家にそこまでしてお金をかける人なんて考えられない。誰も買わないでしょう?」

 

このように考える方は、きっと多いのではないでしょうか?

 

ところが、実際の不動産売買の取引では、売主が建物を取り壊す前提で売出したにもかかわらず、その古家を再利用するので壊さずに売ってほしいと要望されるケースもあるのです。

 

年々人口が減少し、買いたい人より売りたい人の方が多くなっている今、先入観や固定観念で売却チャンスの芽を摘んでしまうのはもったいないことです。

 

需要を押さえた、合理性のある販売計画を策定することは、不動産売却を成功させるための定石です。これが古い家がある状態で売りに出す理由です。

なお、古家付き土地売買の需要などをもっと詳しく知りたい方は、関連記事をご参照ください。

 【関連記事】

古い家付きの土地売却は「更地」と「建物付き」のどちらが得か?

築30年の古い家の価値と査定、中古住宅として売却可能かどうかの話。



では次に、引渡し日までのあいだ売主が負担するランニングコストを見てみましょう。

 

固定資産税や都市計画税等、公租公課の負担

現状の古い家がある状態と、既存建物を取り壊した後で、どのように違うのでしょうか。

 
函館市内にある築49年の住宅を例に比較してみます。

【対象不動産の概要】
土地: 宅地 180.14㎡ 、第一種住居地域内にある宅地
家屋: 木造 192.55㎡ 、昭和36年新築、昭和46年増築

 

<現在の固定資産税額>
家屋の固定資産税24,417円
土地の固定資産税21,632円   合計46,049円…①

 

<建物取り壊し後の想定税額>
家屋の固定資産税   0円
土地の固定資産税77,230円   合計77,230円…②  差異31,181円

家屋に対する固定資産税は無くなるが、土地は住宅用地としての軽減が受けられなくなるので、結果として建物取り壊し後は31,200円の増額となった。

 

固定資産税は、土地上に住宅がある場合、住宅用地の軽減措置の対象となります。

今回のケースでは、土地は200㎡以下なので小規模住宅用地として固定資産税は課税標準額の6分の一に、都市計画税は3分の一に軽減されています。

 

建物を取り壊した後は、住宅用地としての軽減措置が受けられなくなり、土地の固定資産税は、次のように計算します。

 

更地の場合の固定資産税額計算:函館市の場合
固定資産評価額×70%=課税標準額
課税標準額×(固定資産税1.4%+都市計画税0.3%)=固定資産税額

 

(注)2019年12月現在で、函館市に隣接する北斗市や七飯町では都市計画税はありません。北斗市や七飯町の不動産でシミュレーションする場合は、上記計算式から都市計画税0.3%を外してください。

 

 

火災保険料の負担

次に、先述の建物の火災保険料をチェックしましょう。
保険内容は以下のとおりです。

 

木造 非耐火構造
面積 192.55㎡(58.13坪)

火災保険金額2,500万円(免責3万円)
地震保険1,250万円
保険料287,590円(5年間一括払い)

一年あたりで換算すると57,518円です。・・・③

 

 

 

固定資産税と火災保険を合わせて比較すると上記表のとおりとなります。

 

46,049円+57,518円=103,567円(①+③)

103,567円-77,230円=26,337円(差異)

∴古い家付きで売りに出す場合は、更地にした場合より26,337円の支出増となります。

 


今回の事例に使用した建物は、床面積が58坪もあるので保険料が57,000円ほど掛かっていますが、30坪~40坪程度の一般的な住宅だとすると、地震保険も含めて年払いで35000~40000円の範囲で収まると思います。

そうすると、年間でおおよそ1万円前後の差異で済みそうです。


なお、損害保険会社によっては、空き家の場合は住宅用火災保険ではなく、一般物件扱いにすることもあります。会社によって規定や条件が異なると思いますので、詳しくはお取引中の損保会社にお問合せしましょう。

 

このほかにも、水道や電気、ガス等のライフラインについて、関係先に早めに休止届を出すなどして、基本料金がかからないような工夫が必要です。

 

 

通常の一般住宅の場合で、古家付で売りに出すことは更地にしてしまったときと比べて、年間で1~2万円支出が多い計算になりますが、「建物付きで売り出した方が販売チャンスあり」と割りきって、必要経費と捉えてみてはいかがでしょうか。

 

 



古い家がついた土地を売却する場合、この記事で紹介したことを念頭に計画を進められるとよいでしょう。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

あなたの不動産売却が成功しますように。

 

 

函館の不動産売却・査定のご相談は、
こちらのお問合せフォームから↓
https://fineestate-hakodate.co.jp/contents/desired/


【不動産実務と広告のスペシャリスト集団】
有限会社ファインエステート
〒041-0813 北海道函館市亀田本町23-14
Tel 0138-40-8808

この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。函館ラ・サール卒21期生。
arrow_upward