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2020年11月21日
不動産売却の知識とノウハウ

実家を相続された方へ、その活用法を函館市の不動産業者がご紹介します。

「実家を相続したけど、活用する方法が見い出せずに困っている」
「空き家になってしまいそうな場合の対処方法を知りたい」

不動産の活用方法に詳しい方は、不動産投資を実践されているか、経験豊富な方ばかり。実際には、多くの方が実家を相続したけれども、同時に、このような悩みを抱えています。

そこで今回は実家を相続する方に向けて、函館市の不動産業者が活用方法を紹介します。

1.相続した実家の活用や処分法

実家を相続した方で、「不動産をどのように活用したら良いかわからなくて困る」という方が意外に多く、われわれの実務においても日々このような相談が入ってきます。

そのため、ここでは実家を相続した方に向けて、実家の活用方法を2つ紹介します。活用方法がなくて困っている方はぜひ参考にしてください。

①建物を取り壊して土地を活用する

土地活用は、駐車場やアパート、戸建賃貸、賃貸併用住宅など様々です。

付近に商店街やオフィス街がある場合は、駐車場の需要も見込めますが、所有される物件が閑静な住宅街の中にあるのなら、駐車場としての高い稼働率は期待できません。

賃料収入を得るという視点に立てば、アパートやマンション、戸建ての賃貸物件を建設する方法がありますが、いずれも立地環境や地域特性によりますので、どのような需要を見込めるかは、地域の不動産業者に相談してみるとよいでしょう。

また、相続税を軽減するという目的で、「相続をする前に、実家を賃貸住宅に建て替えておく」という選択肢もあります。賃貸市場の動向や需要を押さえた賃貸住宅を建設することが肝要なので、相談相手はそのエリアの賃貸仲介や管理を行なう不動産業者がおすすめです。

②そのまま戸建賃貸として貸す

人口減少時代でアパートやマンションの空室が目立つのに、賃貸経営なんて大丈夫なの?と疑問を抱かれる方もいらっしゃると思いますが、戸建て賃貸はファミリー世帯からの需要が高く、根強い人気を持ちます。

また、立地や周辺環境、建物の状態によっては、相応の賃料も期待できます。

しかし、建物の老朽化や、立地に恵まれない場合の物件では、入居者が決まりにくいという側面もありますので、不動産仲介業者に相談しつつ検討してみましょう。

賃貸経営では、入居募集を行なう前に内外装のリフォームが必要であったり、給湯ボイラー等の機械設備の修理やメンテナンスを行なうなど、ある程度のコスト負担があります。

このリフォームにかける費用については、10年や20年など長期計画で収支を考えられる場合は数百万円のコストを投じることもありますが、一般的にはせいぜい1~2年程度で回収する考えをお持ちのオーナーが多いです。

相続した実家の築年数によるところも大きいので、不動産業者に相談して意見を聞いてみましょう。

 

ここで、税金面での注意点をお知らせしておきます。

相続空き家の3,000万円控除をご存じですか。正式に言うと、『相続によって取得した居住用の空き家を譲渡した場合の特別控除の特例』と呼ばれるものです。

これは、空き家の放置による周辺の生活環境への悪影響を防止するとともに空き家の有効活用を促進するため、空き家発生の最大要因である「相続」によって取得した古い空き家の売却について、一定の要件のもと、居住用財産の3,000万円特別控除が適用されるというものです。

ところが、この要件を満たすには「相続の時から譲渡の時まで、事業の用、貸付の用、居住の用に供されたことが無いこと」が必要なため、戸建て賃貸物件として運用してしまえば、相続空き家の3,000万円控除が受けられなくなるわけです。

相続発生後は、売る前の間に誰かに貸してしまうと、相続空き家の3000万円の控除が利用できなくなる点に注意しましょう。

 

「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」の詳細については、以下の国税庁のホームぺージリンクをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

 

戸建てを賃貸として運用し、長年にわたってキャッシュフローを得るご計画なら悩まずにすみますが、明確なビジョンがなく賃貸か売却処分か迷っている場合には、相続空き家の3,000万円控除を利用するかしないかをじっくり検討してみてください。

③相続した実家を空き家のままで売却する

ここまでは土地活用、中でもポピュラーな賃貸経営について紹介しました。

世間一般では、賃貸収入は不労所得であると言われていますが、事業である以上、先行投資はつきものです。

物件を入居者に選んでもらう、決めてもらうためには、「そこに住んでみたい」と思っていただけるよう、建物のリフォームや修繕なくしては話が進みません。どうしても最初に設備投資が必要になってしまいます。



賃貸経営は、大きく稼ぐことはできないが、長期にわたり堅実な収入が得られるのはわかるけど、「自分の性分には合わない」「休日に入居者から苦情で電話が入ることを考えるとゾっとする」など、賃貸経営がすべてに人に向いているということでもないので、そのような場合は、相続した実家を『売却』することをご提案します。

 

しかし、売却対象となる土地・建物があなたの所有、つまり登記名義になっていなければ、両親名義のままで実家を売却することはできません。

親が亡くなった後は、相続人間で遺産分割協議を整えたうえ不動産の相続登記手続きが必要です。

また、親は健在だが医師から認知症の診断を受け、すでに施設に入所している場合などでは、成年後見制度により家庭裁判所からあなた自身が後見人として認定してもらう必要があります。

このあたりは司法書士に相談されるのが望ましいですが、相続に詳しい不動産業者であれば全体の流れや概要を説明することができると思いますので、遠慮なく専門家に相談してみましょう。

 

【相続空き家売却の注意点】
相続を受けてから3年を経過する年の年末までに売れば、3,000万円の控除を利用できる。但し、一度でも賃貸したら、この特別控除は受けられなくなる。

2.空き家として放置してはいけない理由

実家を相続する場合は、空き家として放置しないようにしましょう。
2015年に2月26日に空き家対策特別措置法が施行されました。これは、倒壊する恐れのある空き家と判断された場合に行政の判断で撤去できるというものです。

また、固定資産税に関する優遇措置も適用の範囲外と定められました。

深刻な老朽化が進んでいない限りは、特定空き家と判断される確率は低いですが、空き家を放置しておくと、災害や犯罪の被害に巻き込まれるなど防犯面でリスクを負うだけでなく、何よりもご近所さんへの生活環境にも悪影響を与えてしまうことにもつながります。周囲の住民に迷惑をかけてしまうことだけは避けたいものです。

 

なお、実家にかかる相続税にも注意が必要です。

現在は両親が住んでいても、そのうち空き家となってしまう可能性は否めません。

誰も住んでいない状態の実家を相続すると、小規模宅地の特例を使用できなくなり、相続税が高くなる可能性がありますので、覚えておきましょう。

 

実家を相続した場合は、その後の活用方法が思いつかなかったり、悩んだりすることもあると思います。その場合は、まずは不動産業者などの専門家に意見を聞き、方向性を見出してから、それをもとに家族や親族の方と話し合うのがベターです。専門家から適切なアドバイスをもらうことで、スムーズかつ合理的に解決策を見い出せることでしょう。

 

【参考記事】

実家を相続した方へ!空き家を放置する危険性について函館市の不動産業者が解説します。
 

3.実家を相続した場合の登記上の注意点について

相続した後は、まず相続登記の手続きが必要ですが、われわれの経験則から助言させてもらうと、複数の相続人で共有登記することはおすすめいたしません。

共有登記した不動産を売却するケースもありますが、どなたかがリーダーシップを発揮しとりまとめる立場の人がいない場合は、売却の商談がモタついたり、意見がまとまらず破談になったりなど、順調に進まないことがよくあるからです。

売却する前に何度でも議論を重ねることは結構ですが、売り出して買い手がついてから揉めることは相手に迷惑をかけることになります。

 


また、利活用の観点においても、1つの不動産を複数人で共有してしまうと意思決定に時間がかかる、活用の方向性がなかなか決まらないなど、問題が複雑化する確率が上がります。

収益が発生した時や費用がかかった時にも、それらをどのように分配するのかも煩わしくなってしまいがちです。

共有登記にしたばかりに、その後の処分や利活用において苦労されている方が多く見受けられますので、不動産を相続する場合は、できる限り共有名義は避けましょう。



相続遺産がすべて現金であれば相続人の人数で割り算して分配額をスッキリ計算できますが、現金のほかに不動産がある場合は遺産分割協議が簡単に整わないことも多いです。

このような場合は、「代償分割」で差額分を現金で精算(調整)する方法があります。相続人間でバランスをとるには、もっとも現実的な手法であり、一般的に広く採用されています。



不動産があるせいで相続人間で話し合いが整わないという面があるので、相続したら実家をすぐに売却して現金化し、あとは単純に分配する方法もあるでしょう。

但し、私の個人的な意見としては「不動産は売却するより、運用して収益を得る方が何倍もお得」という考えなので、遺産分割のために”即売却”はもったいないという感じがします。

長々と書きましたが、相続人を決める際に共有登記にすることだけは避けましょう。とにもかくにも、後が楽なのです。

まとめ

今回は、実家を相続する方に向けて、函館市の不動産業者が活用方法を紹介しました。

実家の所有権を持ったまま活用する際は、建物を取り壊して駐車場にする、そのまま戸建て賃貸として貸す、また新たに賃貸住宅を建設するなど、賃料収入を得る方法は様々です。

また、売却するという選択肢もあります。

いずれにしても、実家を相続した場合は空き家として放置することにならないよう、しっかり情報収集を行ない、いざという時のために準備しておきましょう。

相続不動産の活用や処分の方向性を決められる際は、相続を受けた方の性格や不動産取引の経験値やキャリア、また人生設計と照らし合わせるなど、多面的に検討していただければ、きっと良い選択に辿りつけることと思います。

 

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この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
函館ラ・サール卒。商船系データ通信会社から建築・不動産産業界へ転身。宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
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