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2020年11月28日
不動産売却の知識とノウハウ

不動産売却の際にかかる税金について、函館市の不動産業者がご紹介します!

不動産を売却すると様々な税金がかかることをご存知でしょうか。不動産は価額が高いので、売ったときの税金も負担が大きいです。

土地や建物、マンションなどの不動産を売却した場合に、「どのような税金がかかり、手残りが幾らになるか?」は関心の高いところです。知っておけば、上手に節税することも期待できます。

そこで今回は、函館市の不動産業者が、個人(サラリーマン等一般の人)が不動産を売ったときの税金について解説します。

1.知っておきたい税金は3種類

宅建業者などの不動産取引のプロでない限り、不動産の売却は誰しも初めての経験です。そのため、ほとんどの方がどのような税金がかかるのか詳しく知りません。

実際に不動産を売却した場合、印紙税、登録免許税(※)、譲渡所得にかかる所得税・復興特別所得税、住民税、消費税・地方消費税(※)がかかります。※印の税金はかかる場合と掛からない場合があります。

ただし、消費税の課税対象は「事業として行なわれる取引」に限られるため、会社員などの個人が自宅を売る場合は課税対象外・非課税となりますので、ここでは消費税の説明は割愛します。

では、それぞれの税金に関して詳しく紹介していきましょう。

1-1.印紙税

不動産を売り出して買い手が見つかりました。いよいよ、売買契約の締結です。


売主ならびに買主の間で契約条件について合意が成立すると、宅建業者は重要事項説明書や不動産売買契約書を作成しますが、このときの契約書に収入印紙を貼付(ちょうふ)します。

これは、その契約書に記載される契約金額に応じた収入印紙を貼付し、消印して税金を納める方法です。

平成26年の4月1日から令和4年3月31日までに作成された「不動産の譲渡に関する契約書」は、契約書の作成年月日及び記載された金額に応じて以下の通り印紙税額が軽減されます。



<平成26年4月1日~令和4年3月31日>

記載された金額が
50万円以下                                       200円
50万円を超え    100万円以下               500円
100万円を超え  500万円以下                1千円
500万円を超え 1千万円以下                 5千円
1千万円を超え   5千万円以下                1万円
5千万円を超え   1億円以下                   3万円
1億円を超え      5億円以下                   6万円
5億円を超え      10億円以下                16万円
10億円を超え    50億円以下                32万円
50億円を超える                                 48万円

 

なお、以下の文書は非課税文書とされ、作成しても課税されません。
・不動産の売却、買入などの申込書(買付証明書、売渡承諾書)
・媒介契約書
・重要事項説明書
・媒介業務報告書
・登記承諾書など



なお、税制改正により税率は変わることもあるので、国税庁のホームページから最新の税金情報を確認することをおすすめします。

国税庁 印紙税額の一覧表に関するページ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm

 

1-2.登録免許税

もしも、売却対象である土地や建物に抵当権が設定されている場合は、これを買主に引き継ぐわけにはいきません。売主の義務として「抵当権の抹消」を行なわなければなりません。

抵当権の抹消は、不動産の個数1件につき1,000円の登録免許税という税金がかかります。実際には司法書士に依頼して登記の抹消を行ないますので、登録免許税のほかに司法書士の報酬が加わります。

なお、抵当権や根抵当権など抹消しなければならない権利が設定されていない場合は、登録免許税はかかりません。

1-3.譲渡所得税と住民税

個人が土地や建物などを譲渡、つまり売却したときに生じる所得(譲渡所得)に対しては、他の所得と分離して国税である所得税及び復興所得税、地方税である住民税が課税されます。

この譲渡所得は、その対象となる不動産の所有期間が譲渡した年の1月1日現在で、5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税額の計算は別々に行われます。

①課税譲渡所得

譲渡価額 - (所得費+譲渡費用) - 特別控除額

(注1)取得費とは、売った土地や建物を買い入れたときの購入代金や仲介手数料など
(注2)譲渡費用とは、土地や建物を売るために支出した費用で、仲介手数料、建物を取り壊して土地を売る場合の解体費用、測量費など

②特別控除額

   対象となる取引                      控除額
収容交換等の場合                      5,000万円
居住用財産を譲渡した場合          3,000万円
特定土地区画整理事業の場合       2,000万円
特定住宅地造成事業の場合          1,500万円
農地保有の合理化の場合              800万円

③長期譲渡所得の税率

所有期間が5年超の場合は、次のように計算します。

所得税15% + 住民税5% + 復興所得税0.315% = 20.315%


■所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率

譲渡所得金額              所得税   住民税   復興所得税         合計
6,000万円以下の部分    10%    4%      0.21%             14.21%
6,000万円超の部分       15%    5%      0.315%           20.315%

④短期譲渡所得の税率

所有期間が5年以下の場合は、次のように計算します。

所得税30% + 住民税9% + 復興所得税0.63% = 39.63%

 

はじめに注意しておくと、これらの税金は譲渡所得=利益が出なかった場合は支払わなくて良いです。利益が発生した時に収める税金と理解してください。

しかしながら、長期譲渡所得と短期譲渡所得を比べると、おおよそ20%近く課税する額に差があります。
39.63%-20.315%=19.315%

節税という視点に立って言えば、「所有期間が5年を超えるかどうか」は売却のタイミングを見極めるうえで非常に重要であることがわかります。

 

2.譲渡所得税と住民税の支払いはタイミングに注意!

不動産を売却して利益が出た場合は、譲渡所得税と住民税を納める必要があります。

これらの税金は、納税時期が異なりますので、支払いのタイミングに注意が必要です。支払いを忘れてしまうと、対処が面倒になるので、期日までに税の納付を済ませるようにしましょう。

では、それぞれの税金の支払い時期を見てみましょう。



まず、譲渡所得税は、不動産を売却した次の年の3月15日までの確定申告で支払うことが決まっています。譲渡所得税に関しては振替納税をしている場合、4月20日ごろに引き落とされることになります。

それに対し、住民税の支払いは3月15日までではありません。住民税は、そこから3カ月後の6月からスタートです。

この時間差により、確定申告の段階で全ての税金を支払ったと勘違いしてしまい、6月に支払う住民税の準備をしていなかったというトラブルが度々起こります。



税金の支払時期が異なる理由は、譲渡所得税は国税、住民税は地方税であることによります。納付先が異なるので、支払いのタイミングが違うわけです。

期日や引き落としのタイミングがややこしいですが、しっかりと把握して、税金の支払い忘れのないようにしましょう。

3.節税する際に知っておきたい特例と特別控除とは

ここまでが不動産を売却する際にかかる税金と、譲渡所得と住民税の支払い時期の違いについて紹介しました。

意外に税金がかかるものだなぁという印象をお持ちになられたことでしょう。そこで不動産を売却する際に、知っておけば節税効果が期待できるポイントについて紹介します。

先述した譲渡所得税の特別控除額で軽く触れていますが、さらに補足したいと思います。

3-1.自分の住宅を売却する時の特例

ご自身が住んでいる住宅を売却した際は、3000万円の特例を利用できます。居住用財産の3,000万円特別控除の特例と呼ばれるものです。


居住用財産を譲渡した場合に、所有年数に関係なく、適用を受けることができます。相続等によって取得した空き家等(被相続人の居住用)を売却した場合も一定の要件を満たせば適用を受けることが可能です。

では、この居住用財産の3,000万円特別控除の特例について深掘り解説していきます。

①特例の対象となる居住用財産の譲渡とは?

ア)現に居住している家屋やその家屋に供している敷地の譲渡が対象となります。

イ)転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋とともに譲渡する敷地(土地)も対象になります。この期間に、その家屋を貸付していても、事業用に供していても摘要になります。
(注)相続によって取得した空き家に係る3,000万円特別控除では、貸付や事業用に使用した場合は特例を受けられなくなります。一部要件の違いがありますので、ご注意ください。

ウ)災害などにより居住していた家屋が滅失してしまった場合は、災害にあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡しても特例の対象になります。

エ)転居後に家屋を取り壊した場合は、取り壊した日から1年以内に譲渡(売買)契約を締結し、かつ、その家屋から転居した3年後の12月31日までに譲渡したものが対象となります。

②特定の親族や同族会社への譲渡は適用外

ア)配偶者や子供など生計をともにする親族や、譲渡後にその家屋に居住する親族

イ)本人、配偶者、直系血族や生計をともにする親族が主宰している同族会社

③特例の適用は3年に一度だけ

居住用財産の特例は3年に一度だけしか適用を受けることができません。

3-2.所有期間が10年を超える不動産を売却した場合の軽減税率の特例

この軽減は、個人が、その年の1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合に軽減の適用を受けられますが、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

この特例は、先に説明した「居住用財産の3,000万円特別控除の特例」とセットで利用できることが特徴です。

 
①現に自分が住んでいる住宅

②以前に自分が住んでいた住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡したもの

③①や②の住宅および敷地の譲渡が対象

④災害によって滅失した上記①の住宅の敷地で、その住宅が滅失しなかった場合、その年の1月1日における所有期間が10年を超えている敷地。但し、その災害があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したものに限ります。


所有期間が10年を超えるという条件以外は、3,000万円特別控除の要件と同じです。


<計算例>

・3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち6,000万円以下の部分
所得税10%+住民税4%+復興所得税2.1%=合計16.1%

・3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち6,000万円を超える部分
所得税15%+住民税5%+復興所得税2.1%=合計22.1%

 

この制度は、あなたが売却・譲渡した自己居住用財産が、3,000万円を超える契約金額で取引され、なおかつ所有期間が10年を超えている場合は、その超えた部分の譲渡益に対しても税の軽減を受けられるというメリットがあります。

住宅を所有して9年目という方は、すこし待ってから不動産を売却した方が良いと言えますね。以上のように、税制面において控除や軽減が受けつつ税金の支払いを少なくできるという恩恵を活かすために、適切な売却時期を知ることも不動産売却においては重要です。

3-3.特定の居住用財産の買い替え特例

この特例は、令和3年12月31日までに居住用財産(住宅やその敷地)を売却した場合で、譲渡資産(売却した居住用の住宅やその敷地)および買換資産(購入した居住用の住宅やその敷地)が、以下の要件に該当するときに適用を受けられます。

条件が細かく設定されているため、注意が必要です。

 

■譲渡資産の要件
次に掲げる居住用財産で、その年の1月1日における所有期間が10年を超えているもので、譲渡にかかる対価が1億円以下のもの。

①現に自分が住んでいる住宅で、居住期間が10年以上であること
②以前に自分が住んでいた上記①の住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡されたもの
③上記①や②の住宅およびその敷地 など


■買換資産の要件
①買換資産は、譲渡資産を売却した年かその前年中に取得したもの、または譲渡した翌年1月1日から12月31日までに取得する見込みであること


②買換資産を次に掲げる日までに、実際に居住用として使用すること

ア)譲渡した年またはその前年中に取得→譲渡した年の翌年12月31日まで
イ)譲渡した翌年に取得→譲渡した年の翌々年12月31日まで
(注)上記ア)やイ)に掲げる日までに居住の用に使用できなかった場合は特例の適用は受けられませんのでご注意ください。

③取得する住宅の床面積が50㎡以上であること

④取得する敷地は、土地の面積が500㎡以下であること

⑤買換資産が中古住宅である場合で、
・耐火建築物の場合: 新築後25年以内、または新耐震基準に適合することが証明できること、もしくは既存住宅瑕疵保険に加入していること
・非耐火建築の場合: 新築後25年以内であるか、または取得期限までに改修工事を行なって耐震基準に適合されていること

 

売却するマイホームよりも高い住宅へと買い替える場合に、マイホームの譲渡所得税を先送りにできるという制度です。

詳しい要件に関しては、国税庁のホームページで確認することをおすすめします。

国税庁ホームページ 「特定のマイホームを買い換えたときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3355.htm
 

4.まとめ

今回は、不動産売却時にかかる税金と節税について解説しました。

不動産を売却する際には、印紙税、譲渡所得税、住民税がかかります。

また、所得税と住民税の支払い時期は異なるので注意が必要です。

居住用財産の特別控除の特例など、税の軽減につながるものは、賢く利用していきましょう

函館市で不動産売却をお考えの方は、当社までご連絡ください。

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この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
函館ラ・サール卒。商船系データ通信会社から建築・不動産産業界へ転身。宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
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