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2020年12月19日
不動産売却の知識とノウハウ

住み替えは売却が先か購入が先か?はじめての住み替えの基礎知識や注意点について、函館市の不動産業者が解説します。

「子供が自立したので広い家は必要なくなり、駅前都心部のコンパクトな家に移りたい。」、「転職を機に現在暮らす街を離れ、環境を変えなければならなくなった。」など、人生のステージが変われば住み替えが必要になるケースがあります。

その際、あらたに取得する家の購入と現在使用している家の売却計画を、ほぼ同時に進めることになりますが、「売るのが先か買うのが先か」、「どんな流れで進めればいいの?」など、いろいろな疑問が浮かぶことでしょう。

ここでは、現在のお住まいの不動産売却とあらたに家を購入する住み替えをご検討される方に向けて、知っておきたい住み替えの基本的な考え方や判断基準、住み替えローンや税金制度について函館市の不動産業者が解説します。

1.売却が先か、購入が先かは資金調達の計画しだい

住み替えは、現在住んでいる家の売却とあらたな家の購入をほぼ同時に進めていきます。

家の売却は、不動産査定から引き渡しまで必要な手順があり、引渡しまでに最短で3ヶ月、一般的にはおおよそから6ヶ月程度かかるため、まずは余裕を持ったタイムスケジュールを組む必要があります。

家を購入する際は、売却の際と立場が変わって、今度は買主として売却と同様な手順で計画を進めていくことになります。


それでは、購入と売却の順序はどちらを先に行った方が良いのでしょうか。

結論から述べると、購入物件に対するあなた自身の資金調達計画によりますので、この資金調達を基準に解説を進めていきます。

①あらたな住まいを現金で購入できる資金余力がある場合

住み替え先の家やマンションをお手持ちの自己資金(現金)で購入できるのであれば、実はこれが一番理想のカタチです。

現在の住まいの売却計画に関係なく、新居を購入できる利点は、引っ越しが一回で済むことです。

引越しと言えば荷物の搬出搬入だけでなく、「この際だから、長年使わなかったものは断捨離して、スッキリしてしまおう」という分別作業もありますので、相当な手間暇がかかるものです。多忙な人であれば、できるだけ1回で済ませられるに越したことはありません。


現在の住まいの住宅ローンを返済しなければならない、あるいは売却代金を手にしないと次の家は購入できないといった事情が関係しないので、気に入った物件が見つかるまで、納得できるまで、じっくり新居探しに没頭できることは最大の利点です。

②新しい家を購入するには住宅ローンを組まなければならない

「手持ち資金だけでは購入できないし、まだ住宅ローンだって残っているのに…」というケースです。

金融機関サイドの視点で言うと、住宅ローンは専ら本人が居住するための家でなければ貸付することができないという大前提があります。

もしも、あなたが現在のお住まいで住宅ローンを返済中であれば、これを一旦完済し抵当権を抹消しなければ、あらたに住宅ローンを組むことはできません。

住宅ローンというのは、原則、専ら本人が居住するための家は一軒であるという考えからすると、同一人が住宅ローンを2本同時に利用することは定義から外れてしまうのでNGという理屈です。

後ほど解説しますが、最近の金融機関では「住み替えローン」という住宅ローン商品をラインナップとして揃えるようになってきました。既存住宅ローン残債の借り換え資金も含めて、新しい住まい取得のためのローンを組めるという点が大きなメリットですね。

 

いずれにしても、現在のお住まいの売却が先で、買い手が見つかってから、新しい家を探すという流れになってくるわけです。

③現金で購入する余力はないけど、現在の住まいの売却代金を購入資金に充てたい

「新居を購入するには手持ち資金だけでは足りないけど、住宅ローンは残っていないよ」といった方が、このケースに当てはまります。

 

この場合は売却代金を購入資金に充てなくてはならないので、やはり買い手が決まってからでないと計画を進めることができません。

購入する際に用意できる自己資金の額にもよりますが、現在のお住いが高値で売れるのかなどの成約金額次第で新居の予算計画が変わるようでしたら、なおさら売却が確定してからでないと動くことができません。

新しい家を探す時期は、見切り発車することなく、現在のお住いの売買契約を締結した以降がよいでしょう。

2.売却を先行させる際に注意すべきこと

先に述べたように、手持ち現金で新しい家を購入できる方は、なんら制約を受けることはありませんが、現在のお住まいを売却しないことには住み替え計画が進められない場合の注意点を説明します。


場合によっては、一時的に仮住まいに引っ越さなければならないことも!?



買い手が見つかり売却の目途が立ったのはいいけれど、新しい住まいがなかなか見つからなくて困ったという局面になる可能性があります。

売買の契約条件に、「買い手が、売主が住む新しい家が決まるまで無期限に引き渡しを待ってくれる」ことはありません。

あくまでも売主買主間の協議事項になりますが、買主が寛容な方だとしても、どんなに待ってくれてもせいぜい三ヵ月が許容限度ではないでしょうか。

多少フライング気味に新しい住まいを探し始めて良い物件に出逢えたとしても、その物件の売主が待ってくれなければ絵空ごと。

「売り出し中の私の家が売れたら、この物件を買えるのですが…」といった場合、仲介に入る不動産業者や売主の理解や承諾がなければ、商談に進展することはありません。

可能性がゼロということはありませんが、タイミングと良縁に恵まれるかどうかの不確定な要素がいっぱいです。


引き渡しまでの期日が定まっている条件下で物件を探すことは、結構たいへんです。住み替え先として気に入った物件が見つからないと、時間の経過とともに焦りの気持ちが大きくなります。

何事も焦って決めてしまうことは、あまり良い結果につながりません。急いで無理して決めるのではなく、いったん冷静になって「仮住まいとして貸家を借りる」という選択肢を考慮しましょう。



たしかに仮住まいに引越しして、あらためて購入する家を探すことは、引越しを2度行わなければならず、賃貸契約に要する費用や期間中の家賃、引越し代等、経済的な負担が増えるばかりでなく、精神的にも体力的にも消耗します。

ですから、「とりあえず仮住まい作戦」は決して合理的とは言えませんが、妥協感のある新居選びをするのは避けたいなぁと思われる方に適していると言えます。

 

なにしろ、現在の住まいを売却しないことには、住み替え先の家を購入できないという事情がある場合は、売却→仮住まい→家の購入というシナリオも想定しておきましょう。

 

とかく、「売りが先か、買いが先か、どっちがいいの?」という議論になりがちですが、自己資金余力を中心とした資金調達計画によって方向性が決まるわけです。

 

3.知っておきたい住み替えローンの基礎知識

①住み替えローンの仕組み

住み替えローンとは、今住んでいる家を売ったお金で住宅ローンが完済できない場合に、その残高にプラスして新しいローンを組めるという制度です。

4,000万円の残高があったとして、3,700万円の成約価格なら、300万円を捻出することになります。

しかし住み替えローンを利用すれば、300万円を新居のローンと合算できるため、手持ち資金を捻出する必要がありません。

 

②住み替えローンのメリットとデメリットとは

メリットは、手持ち資金がなくても住み替えが可能な点です。

売買時には諸費用がかかるので助かるでしょう。

デメリットは、借入額が増える分、返済額も大きくなることです。

そのため、ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。

住み替えローンを組む際は、借入額を返済可能か考慮した上で計画を立てることが重要です。

 

ご参考までに、住み替えローン商品を取り扱う北海道内金融機関のサイトをいくつかご紹介しておきます。

ほくよう住宅ローン(NP保証口) 


道銀住宅ローン(住まい住み替えプラン) 


ろうきん借換・買換ローン(不動産担保型)

 

4.住み替えでも利用できる!住宅ローン控除について

住宅ローン控除とは

個人が住宅を新築したり、新築または中古住宅を購入したり、現在のお住いの増改築工事をした際に、金融機関から返済期間10年以上の融資を受けて住宅を取得した場合に、一定の期間にわたり所定の額が所得税から控除される減税制度のことをいいます。

<参考>
国税庁 No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)



住宅ローン控除を利用すれば、10年間、ローンの年末残高が1パーセント控除されます。

住宅ローンを借り入れて新居を購入した場合に適用され、給与などの所得税が最大400万円が控除されるため、高い節税効果があります。

住宅ローンと併用できる制度は、マイホームの売却で損失が出た際の特例です。

マイホームを購入したものの赤字になってしまった人や、かなり安く売買してしまった人はいませんか。譲渡損失が発生した場合、適用条件を満たせば、損益通算の特例が適用されます。

ただし、損益通算で所得がゼロになった年は、住宅ローン控除も使えないという点には注意が必要です。

<参考>
国税庁 No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

 
 

住宅ローン控除と併用できない制度は、マイホーム売却時の3,000万円の控除、所有期間が10年を超えた際の軽減税率、居住用財産の買い換え特例です。

場合によっては住宅ローン減税と同じ程度の効果があります。

減税や節税の効果を最大限に活かすためにシミュレーションを行い、どれが一番得になるか考えましょう。

 

【参考記事】
不動産売却の際にかかる税金 

まとめ

ここでは、住み替え計画の進め方や注意点、また住み替えローンについて説明しました。

住み替えは単なる引越しとは違い、現在のお住まいの売却とあらたな家の購入の両方を進めなければならないため、2倍のエネルギーが必要です。

住み替えが初めてという方は、ここで解説した基礎知識や注意点を参考にしてみてください。余裕のあるタイムスケジュールを組むことも大事なポイントです。

また、上手に減税制度を利用し、少しでも節税効果が得られたら幸いに存じます。

ここでは、私が25年間にわたる不動産仲介営業の現場で、「他社が価格の下げを提案するなか、当社で価格を下げずに成約した」、あるいは「他社査定より高値で売却した」多くの実体験をもとに、家やマンションなどの不動産を高く売るコツをまとめてみました。
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この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
函館ラ・サール卒。商船系データ通信会社から建築・不動産産業界へ転身。宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
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