戸建てマイホーム新築の依頼先の選び方。あなたは工務店派?建築家派?ハウスメーカー派?
結婚し家庭を持ち、子ども達もすこやかに成長している。家族が増えると物も増え、長年の賃貸アパート暮らしはそろそろ狭くて不便になってきた。
「よし、念願の戸建てマイホームを新築しよう!」と思い立ったものの、果たして家づくりはどこに頼めばいいのやら?
工務店、建築デザイナー、ハウスメーカーといろいろ聞くけど、それぞれにどんなメリットやデメリット、特徴があるのかについて解説します。
①工務店に依頼する
ここで言う工務店とは、街の工務店、長年大工として現場経験を積み会社を作り、地域に根差して営業する会社さんのことです。
木造住宅現場では、大工の棟梁が中心になってディレクションします。
しっかりした構造に、決め細やかな造作など「実際の作り手」だから、当然に安心感がありますね。
しかし、工務店の不得手なところは残念ながら提案力。
「要望を出してくれれば、そのとおりに作ってあげるよ。」とは言うものの、言い換えれば、それはお施主様自身がデザインを考え、自ら提案者になれなければならないということ。
昔の人はよく言ったものです。「家は3回建てないと理想の家にならない」、「建ててみてから、ここはこうしておけばよかったなんて所がいっぱい出てくる」。
でも、それは今のようにハウスメーカーが無く、建築家が活躍する時代出なかった頃の話です。
工務店は、工事費を最も安く押さえられることが最大の利点です。
②ハウスメーカーに依頼する
様々なサポート体制を組み、総合力で安心感を寄せられるがハウスメーカー。
融資や税金面などの相談に乗ってくれる営業担当、打ち合わせのたびに何回でも図面を書き直してくれる設計担当、工事が始まれば竣工までしっかり現場を監理してくれる工事担当がいて、家づくりを総合的にサポートしてくれます。
多忙な毎日を送る現代人は、住宅建築をイチから学んだり比較研究する時間は取れないので、とかく知名度やブランド力を信頼してハウスメーカーに頼むことを選択する傾向にあります。
しかし、全体的に平均点をクリアしているように見えても、担当それぞれがプロフェッショナルかというと、そうではありません。
家づくりにおいて、請負側が発注者(お施主さん)に対して、幅広い建築知識や経験・ノウハウを携え、数多くある工法の中から実際に建築する地域や環境、お施主様の希望にあったものを推奨し提案するのが理想です。
ハウスメーカーの負の宿命は、自社商品を売ることが足かせとなり、健全なカタチでお客様本位の提案を行なえないという悲しい側面があります。
また、広告宣伝コスト等の関係から、建築費は割高になる傾向が強いです。もちろん、特定のハウスメーカーに対して、熱烈なファンである場合は、建築費が高い安いは優先度の高いことではないかもしれません。
③建築家(デザイナー)に依頼する
建物建築の命とも言える、最も重要なのがデザインや設計です。
敷地条件やお施主様の趣味やライフスタイル・暮らし方を踏まえ、建物だけでなく敷地を含めた全体的な空間設計をしてくれるところが、建築家に依頼する最大のメリットでしょう。
周囲の街並み、光の取り入れ方、平面や断面計画で変化を作り、計算から生まれた快適性など、住むほどに暮らしが楽しくなっていくのが建築家の為せる業。
次に挙げられる利点は、設計と施工が分離されることにより、もたらされる効果が大きいということです。
一級建築士である建築家が、現場で施工をしっかり監理し検査します。
建築家は設計図書どおりに施工されているかをチェックし、また施工する側は納まりの悪いところがあれば建築家に相談し、互いにアイデアを出しながらベストに仕上げていくという形を持てる意味合いは大きいです。
そして、最後の利点となるのが積算(見積)単価の透明性。デザインするプロが施工するプロから出される詳細見積の内容をしっかり検討できるということです。
相見積もりで施工会社を選定する場合、適切・適正な工事内容が見積書に反映されているかを、お施主さんに代わり建築家がヌケやモレをしっかりチェックします。
建築家に依頼する場合に、設計監理費用は建物規模や工事額によりますが、仮に住宅で150万円~200万円程度の設計ならびに監理料が掛かったとしても、発注者の代理人として専門知識やデザイン、アイデアを発揮してくれるのなら、妥当な費用と言えるでしょう。
最近では、自らが積極的にDIYで内外装を仕上げていくというお施主様がいらっしゃる時代ですね。
それぞれの感性や趣向にあった、そして楽しく、満足のいく家づくりのための建築パートナーを探すときの参考にしてみてください。
【参考記事】
夢の一戸建て建築の失敗談から、繰り返さないための防止策を整理してみた。
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