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2020年12月07日
不動産売却の知識とノウハウ

不動産の売買代金残金を引渡予定日より早く支払う場合のリスクについて、函館市の不動産業者が解説します。

先日、あるお客様から「売買代金の残金は、引渡し予定日の前日に振り込んでもいいか?」と問合せを受けました。

実は、これには大きなリスクと思わぬ落とし穴が潜んでいます。不動産の売買代金残金を引き渡し期日よりも前に支払うことのリスクについて、函館市の不動産業者が解説します。

まずは不動産売買契約書の約款を確認しましょう

全国の8割以上の宅建業者が加入する全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の不動産売買契約書の標準約款では次のように記載されています。ここでは、土地付き建物、つまり中古住宅の約款をご紹介します。

 

(所有権移転の時期)
第6条 本物件の所有権は、買主が売買代金の全額を支払い、売主がこれを受領したときに、売主から買主に移転する。

(引渡し)
第7条 売主は、買主に本物件を標記の期日(C)までに売買代金全額の受領と同時に引渡す。

(所有権移転登記の申請)
第8条 売主は、売買代金全額の受領と同時に、買主の名義にするために、本物件の所有権移転登記申請手続きをしなければならない。

  2 所有権移転登記の申請手続きに要する費用は、買主の負担とする。ただし、本物件の売渡しに要する所有権登記名義人の住所、氏名の変更登記に関する費用は、売主の負担とする。

 

不動産の取引では、一般的には(例外なく)、売主は売買代金の全額(手付金等の支払いがあった場合は残金)の受領と同時に買主に物件を引き渡します。

  


実際の不動産取引の現場では、売主・買主・仲介業者のほかに司法書士が必ず立会い、売主から本人確認資料や権利証(登記識別情報)、印鑑証明の提供、また登記原因証明情報や所有権移転のための委任状に署名し、実印で押印していただき、所有権移転申請に必要な手続きが整ってから、売主買主間で金銭の授受を行ないます。

 

あくまで代金全額の支払いと物件の引渡しは同時履行が原則です。

物件の引渡しを受ける前に支払ってしまうと、こんなトラブルが待ち受けている!?

さて、今回のケースについてお客様(購入者)にいろいろとお話を聞くと、実はまだ売主から司法書士に対して、すべての必要書類が提供されていない状況でした。

万が一、この段階で買主が先に代金(残金)を支払ってしまうと、次のようなトラブルに巻き込まれる恐れがあります。



・売主が他の人に二重売買してしまった

・売主が急逝してしまった

・売主が代金を持ち逃げした

 

などと言った悩ましい問題(トラブルの芽)をはらんでいます。想像するだけで身の毛がよだちますね。

売買代金の決済は、必ず司法書士の立会いで。

もしも、前述のようなトラブルに巻き込まれたらどうしたらいいの?という話は、また別の機会にするとして、司法書士やわれわれ宅地建物取引士(宅建士)は、自分が担当する取引でこのような事態(大失態)にならないように、何が何でも阻止しなければなりません。

 
不動産の売買代金は、支払いたいときに支払ってよいということではなく、すべての必要書類が揃い、そのうえで司法書士がOKを出すまでは金銭の授受は行ってはいけないとご理解ください。

 

たまに現金で購入するから、或いは仲介手数料を支払いたくないからといった理由で、仲介業者も司法書士も入れずに売主と買主で直接取引をされる方がいらっしゃるようですが、特に買主の方は十分に気をつけましょう。

 

不動産の代金(残金)決済・物件引渡し日当日の流れについては、以下の記事で詳しく解説していますのご参照ください。

不動産売買決済の流れと必要書類を確認しよう
 

不動産売却が思うように運ばず不満に終わった、失敗したという人の多くは、知識や情報不足によるものです。すべてを不動産業者まかせにせず、初心者でも必要最低限の不動産売却に関する基礎知識を知っておかなければなりません。
不動産売却に成功する人は、どのような知識や知恵を活用しているのでしょうか?
業界歴25年の宅建士が実践経験に基づいた他では読めない知識とノウハウを公開します。
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この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
函館ラ・サール卒。商船系データ通信会社から建築・不動産産業界へ転身。宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
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