不動産会社の社長さん、まだ宅建持っていないの?
世間では「仕事ができる・できないに、資格は関係ない」と豪語される方がいらっしゃいます。
不動産業界においては、宅地建物取引士(以下、宅建士)を持っていない社長さんに限って、特にその傾向が強い。
宅建士資格は、持っている者と持たざる者とでは、専門知識とそれを実務で応用するスキルには雲泥の開きがあります。
不動産会社の社長さん、宅建士資格がなくても平気だと本気で思っていますか?
宅地建物取引士とは
宅地建物取引士とは、宅地建物取引業法に定められている国家資格であり、宅地建物取引業者が行なう宅地または建物の売買、交換、または賃借の取引に対して、購入者等の利益の保護および円滑な宅地または建物の流通に資するよう、公正かつ誠実に法に定める事務を行なう不動産取引法務の専門家です。
平成26年(2014)年、宅建業法の改正によって、それまでの「宅地建物取引主任者」が「宅地建物取引士」に名称が変更しました。略して「宅建士」(たっけんし)と呼ばれることもあります。
宅建士になるには、以下の条件を満たす必要があります。
①都道府県知事(指定試験機関)による試験に合格すること
②都道府県知事に登録すること
③都道府県知事から宅地建物取引士証の交付を受けること
宅建業法第15条には、"宅地建物取引士は不動産取引の専門家として、購入者等の利益の保護、円滑な不動産取引に資するよう、公正かつ誠実に法律に定める事務を行なうとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。”とあります。
これは、消費者を保護するために、日頃より知識や能力の向上のために研鑽し、同時に宅建士資格を持っていない一般従業員に対しても、助言や指導などの教育に努めなければなりませんよということです。
このように、「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」に名称が変更した背景には、高度な職業倫理や専門家としての知識が求められ、社会的使命や責任がさらに強く求められるようになったわけです。
3つの特権を与えられた宅地建物取引士
①契約締結前に重要事項説明を行なう
②重要事項説明書(宅建業法35条書面)に記名押印する
③契約書(宅建業法37条書面)に記名押印する
物件の現地案内やお客様との商談では営業マンで対応できますが、契約の段階になると宅地建物取引士の資格が必要になるのです。
2015年4月1日より宅地建物取引主任者から宅建士へ名称が変更されて、社会的な責任が高まりました。
宅建士は業務上重大な責任を担うので、日々専門法律の勉強を行ない、取り扱う物件でトラブルが起きないよう入念に調査を行います。
プロとしての「責任」によって、宅建士を持たざる者との「意識」や「姿勢」が違います。
それでもまだ、宅建士なんか持ってなくても平気と言い切れますか??
不動産取引に伴なう宅地建物取引業者と消費者のトラブルは依然増加し、なかなか減ることはありません。
十分な説明と理解を得ることのないまま契約に持ち込むなどが紛争を多くしている最大の要因です。
消費者が誤解したり、事実関係や契約内容、そのリスクを熟知しないまま意思決定することのないよう、不動産取引のプロとして必要な法知識に基づき、適切な意見や助言を行なうことが肝要です。
さて、この宅建試験は、不動産取引に最低限必要な知識や法律をマスターしているかを試すもの。
代表者がその最低限を知らずに、あなたの会社の誰が従業員に正しいことを教えるのですか?
正しい理解が無くて、あなたの会社に依頼してくれた大切なお客様を「トラブル」や「リスク」から守ってあげられますか?
不動産会社の社長は、率先垂範して宅建士にチャレンジを!
宅地建物取引士(宅建士)は、誰のための資格だと考えますか?
専門知識の修得や法律の理解は、あなた自身のためではありません。
あなたを信頼して依頼してくれた地主さんや売主さんであり不動産を買う人、大家さんであり賃貸住宅を借りる人を安全な取引に導いてあげるためのものです。
同時に、消費者とのトラブルや紛争から従業員を守るためのものでもあります。
そこを履き違えてはいませんか。
宅建士を持っていない不動産会社の社長さん!
まずはあなた自身が率先して宅建士合格に向けてチャレンジしてみましょう。そしてスタッフ教育をしっかり行ない、不動産業界をよりよく発展させていきましょう。

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