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2018年12月04日
ブログ

持家派vs賃貸派の論争。経済評論家やファイナンシャルプランナーが語らないこと

持ち家派か賃貸派か、この議論は何十年も昔からされています。「経済的に比較するなら、賃貸より戸建を買う方が得」や「正解はない。あなたの人生や幸せの価値観しだい。」などと結論付けられている風潮かと感じています。

経済的なコスト比較などは、ファイナンシャルプランナーや経済評論家にまかせるとして、今日は不動産屋さんだからこそ話せることを、お子さんのいる若いファミリー世帯に向けて書いてみようと思います。賃貸や売買の不動産の仕事を通じて、実際に私がお客様から見聞して感じたことです。

現在のお住まいに関係なく、あなたは「持家派」?「賃貸派」?どちらですか。

まずは世間一般の人がどのように考えているかを見てみましょう。
国内最大の不動産業団体である公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が2017年に行なったアンケートでは、次のような結果を示しています。(調査方法:インターネットによるアンケート調査、対象:日本国内全地域在住の20歳以上の男女、有効回答数:14,331件)


持ち家派 84.9%(一戸建て67.5%+マンション17.4%)
賃貸派  15.1%(一戸建て3.5%+集合住宅11.6%)


過去の調査で同じような割合を示しており、居住形態に関係なく、潜在的に「家」を持ちたいという意識が高いことが伺えます。

■持家派と答えた理由

①家賃を支払い続ける事が無駄に思えるから 63.1%
②落ち着きたいから 43.9%
③持家を資産と考えているから 39.4%

マイホームを持つのが夢だからと答えた方は21.7%で、年代が若いほど「夢」や「憧れ」に強い傾向を示しているようです。

■賃貸派と答えた理由

①経済的拘束の回避
「住宅ローンに縛られたくないから」59.0%

②勤務場所・家族構成の変化
「仕事の都合で」37.5%
「家族構成の変化で」31.6%
 

住宅ローンに縛られたくないからが59.0%と最も高く、次に多かったのは仕事の都合や家族構成の変化で引越しの可能性があるからと続きました。なお、住宅ローンに縛られたくないからと答えた方は50代がやや高い傾向にあったようです。

現在の住まいに対する満足度は?

・持家の平均得点:73.0点
・賃貸の平均得点:65.2点

持ち家に住んでいる人のほうが住まいに対する満足度は高いようです。
 

さて、このアンケートに回答したのは20歳以上の男女、つまり大人なわけですが、次は子どもたちの目線でちょっと見てみましょう。

子どもたちはどう感じているだろう?

①親に叱られるから、静かにしなくちゃ

アパートやマンションなどの集合住宅では、上下左右に隣人世帯があるので、子供たちは元気にはしゃぐことにも遠慮がちです。親に叱られるからというのが理由ですが、子どもは「風の子元気な子」静かにしていなさいと言うのが無理な話です。


②お誕生会などで仲良しのお友達を招待したい。本当はうちに遊びに来てほしいけど、アパートだから呼びたくない。

自宅に招いても賃貸のアパートやマンションだと、騒いだり盛り上がったりすることは出来ません。子どもながらに親に気を遣っています。お友達が一軒家に住んでいることを羨ましく思ったりもしています。
 

小さなお子様連れの世帯が、賃貸でも売買でも戸建の内覧にいらした際に、子どもたちは大ハシャギ。まるで、学校の体育館で遊んでいると思えるような元気100%の勢いです。内覧が終わっても、「まだ帰りたくない」「ここに住みたい」と洩らす場面に何度も遭遇しています。きっと、私ばかりでなく、多くの不動産営業マンは経験済みでしょう。

自分たちの親はどう思っているのだろう?

昔と違って、すっかり核家族化があたりまえになってしまいましたが、もしもあなたの親があるいは配偶者の親が高齢になり、「ひとり暮らしさせておくのが不安」な状況になったら、どうしますか?

「そのときは、親に施設に入ってもらうから、心配していない」といわれてしまうと元も子もありませんが、「一緒に暮らそうよ」と言われた親は嬉しいのではないでしょうか。

「まさか、一緒に暮らせるとは思っていなかった」、「子どもや孫たちと一緒に暮らせて、私はなんて幸せなのだろう」などなど...

人それぞれに生き方があるので、その考え方もいろいろですが、若いときはがむしゃらに働いて仕事ばかりで余裕がなかったけど、「少し、親孝行のこと考えてみようかな?」と思われたとき、選択肢に幅があったほうがよいでしょう。賃貸では無理でも、持ち家なら受け入れ態勢を整えることができるのではないでしょうか。

高齢(老後)を迎える前に知っておいてほしいこと

①高齢の入居者さんは大家さんが敬遠する傾向に

これは大家さんそれぞれに個人差があり、考え方がはっきりと分かれる部分です。しかしながら、賃貸実務の場面では残念ながら、「高齢の入居者はお断りしてほしい」と申し出される大家さんが多いです。理由は、「ひとり住まいでの孤独死」や「注意力が衰えてきた場合に失火されたら大変」といったマイナスな発想によるものですが、可能な限りリスクを回避したいと考える大家さんの心情も理解できます。


②自身が高齢になった場合、頼める連帯保証人がいないことも

自身に子供さんがいらっしゃるのなら、連帯保証を引き受けてくれるでしょうが、「自分には子供がいないし、親兄弟はすでに他界してしまっていて…」という境遇であれば、賃貸物件入居へのハードルが高くなります。

結論

賃貸と持ち家、かかる金銭コストの比較ばかりでなく、このような実生活における現状、そしてお金には代えられない価値を踏まえると、私なら「持ち家」をおすすめします。


近年、TVでは住宅やマンションのリフォームを紹介する番組が多く、築年数が古い建物でもリフォームで素敵に生まれ変わり、古い建物を直して住むことに抵抗感を覚えなくなった方も多いことでしょう。新築ばかりを追い求めるのでなく、自分達の背丈にあったローン返済に無理のない「中古住宅」を取得をする若い世代も増えています。夫婦間でお時間のあるときに「持家」か「賃貸」かを話し合ってみるとよいでしょう。


最後にひと言。
人口減少から来る内需の減少、国内経済が低迷の一途を辿る昨今、一家の大黒柱であるお父さんが一所懸命に働いても念願のマイホームを手に入れることが困難な時代になりました。実に寂しい現実です。頑張った人が「我が家(城)」を手に入れられる世の中になってほしいと願うばかりです。

 

この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算22年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
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