【ココが盲点!】 中古住宅やマンションが売れない原因と解決策のヒント
売り出し中の中古住宅やマンションに買い手がつかず、なかなか売れない。場合によっては1年以上も売れない状態になることも。
「売出価格が相場より高いわけではないし、物件に欠陥があるわけでもないのに...」
実は、このような現状に悩んでいる売主さんは少なくありません。
それでは、家やマンションが売れない原因や理由はどこにあるのでしょう?
ここでは、業界歴25年の宅地建物取引士が、それぞれの事象ごとに分析し解決策の切り口を示します。
1.現在の販売活動状況について、不動産仲介業者に確認すべきこと
中古一戸建てやマンションなど対象となる物件に対する反響が好調なのか不調なのか、内覧が来ない、買い手がつかない原因や理由を把握することから始めましょう。
反響とは、資料請求や内覧予約、物件に関する質問等のことを指します。
現在、あなたが仲介を依頼している不動産業者から受けている報告は、どのような内容でしょうか?
①販売期間中のホームページへのアクセス状況や電話・メール等での問合せ件数は?
問合せの内訳について、一般の消費者か業者かの内訳も聞いておきましょう。
例えば、売り出してから一か月以内に30件を超えるお問い合わせが来て、すぐに商談から成約にいたる物件もあれば、三カ月で2~3件のお問合せしか来ない物件もあります。
前者は需要と供給のバランスが良い言え、後者は立地環境や高額であったりするため、そもそも需要が薄いことも考えられます。
いずれにせよ、売り出してから一定期間が経過した後の数値で客観的に分析を進めることが大事なので、まずは依頼している不動産会社さんにしっかりとヒアリングしてみましょう。
②販売期間中の内覧件数ならびにお客様の反応は?
期間中に何組のお客様をご案内して、どんな反応だったのかを確認しましょう。
また、内覧件数だけでなく、内覧時の現地での滞在時間も重要な要素なので、実際にお客様の反応と合わせて確認してみてください。
③早期成約物件との比較
上記①と②のデータは早期成約を実現した物件と比較して、どの程度の差異があるのかを不動産会社の担当から報告してもらいます。
これらの確認作業は、今後の販売戦略の立案に役立つものです。
何事も、まずは原因分析が重要です。
2.売れない不動産の特徴は?事象ごとに深堀り解説
「3カ月間、一度もお問い合わせが来なかった」などということは、ほとんど聞きません。
一般的に、「電話やメールの反響自体が少ない」、「内覧してもらったのだけど、商談に進展しない」といったケースが大半を占めます。
では、これらの事象について、さらに深く見てみましょう。
①根本的にお問合せや内覧件数が少ない場合
豪邸と呼ばれる物件や事業用物件などを除き、売出中の戸建てやマンションなどの不動産に資料請求や質問、お問合せや内覧予約の連絡が少ない、もしくは来ない場合の原因や理由は実にシンプルです。
それは、物件と価格のバランスに問題があります。
残念ながら反響が来ないのは、
価格>物件の魅力 の状態になっているのです。
お客さまが広告を見た時点で、
価格以上の魅力を感じない、
価格と内容が見合っていないので高く感じてしまうために、
空き状況の確認や資料請求、内覧予約の電話といった実際のアクションに移らない、つまり「お客様の暗黙(無言)の反応」が続きます。
この状態が長く続くと、不動産業者は決まって「価格を下げましょう」と進言してきますが、これを鵜呑みにすると必要以上に安く売ってしまったという失敗につながるので注意が必要です。
私は短絡的に「すぐに価格を下げましょう」といった提案はいたしません。
反響が来ない状況が続くなら、
ますはすぐに着手すべきことは、
ウェブサイトに掲載している不動産広告の表現を見直し、
魅力を伝える広告になっているかどうかをチェックすることです。
特に戸建てやマンションの販売は、土地の売り出しと比べて、伝えられる魅力がたくさんあります。
ここは多くの不動産業者が見落としている盲点です。
決して、多額の費用をかけて新聞広告や折り込みチラシをまくことを、
依頼している不動産会社に求めるのではなく、
ウェブサイトの物件広告のパフォーマンスを上げるという意味です。
なぜウェブサイトだけで良いかと言えば、不動産を購入する人たちの大半は、インターネットで物件を探しているからです。そこに注力することが近道です。
ちなみに、私がウェブサイト上の不動産広告を見渡した限りでは、
①物件の持つ特徴や価値以上に、純粋に価格が高すぎる → 全体の30%
②物件が本来持つ特徴や魅力を、広告で伝えきれていない → 全体の70%
つまり、ほとんどの不動産広告は、その物件が持つ魅力を伝えきれていないと感じます。
内覧に進展しない理由の一番です。
すごくもったいない残念な感じです。
なぜ、われわれが不動産広告を見直しましょうと説くのか?
それは、他社から当社に媒介契約が切り替わったときに、価格を据え置いたままで抜本的に広告表現を改善して、幾度となく成約に結び付けた経験をしているからです。
不動産に限らず、商品やサービスがうまく売れるかどうかは売り方が9割です。
現在売り出し中のあなたの一戸建てやマンションなどの不動産は、お客様が見たときに「もっと詳しい内容を知りたい」、「ぜひ内覧してみたい」と思っていただけるような広告になっていますか?
ぜひ、セルフチェックしてみてください。
②お問合せや内覧はそこそこ来ているのに、商談に進展しない場合
お客様からのお問い合わせや内覧件数は、そこそこあるのに商談に進んでいかない。
こうしたケースでは、次のような原因や理由が考えられます。
・マンションを実際に内覧してみたら、家の中がカビ臭かった。
・一戸建ての敷地内駐車スペース(車庫)が狭く、車のサイズに合わない。複数台駐車できない。
・思ったより日当りが悪かった。
・実際に一戸建ての現地を見たら、リフォーム工事に想定以上に費用がかかりそうだ(経験上これが一番多い)
・物件は良いのだけど、ご近所宅や通りの雰囲気が良くない。
内覧が一定数あるということは、
前述のケース1で触れた広告パフォーマンス上の問題はないと言えます。
お客様は「すぐに住める状態であればこの値段でも良いのだが、
リフォーム工事に相当費用がかかりそうなので、
今の値段では無理かな…」というのが、一番多い反応です。
そうなると、
不動産の売出価格を見直し、
マイナス評価相当額分を減額改定し、
適正な価格に見直す必要があります。
不動産会社の営業担当と作戦を練り直しましょう。
3.仲介を依頼した不動産業者に問題はないの?
お客様が不動産購入の意思決定をするポイント、いわゆる決め手となるのは、次の条件が揃ったときです。
①物件自体に魅力を感じている
②価格が予算の範囲内でおさまっている
③不動産会社、営業担当者が誠実で信頼がおける
上記3条件のうち、不動産会社や営業担当者が努力できることは何でしょう?
①物件のアピールの仕方
・価値を引き出す魅力的な広告を作れているか。
②売出価格の設定
・価格の決定権は売主にありますが、
売主に適切な売出価格の提案、助言ができているか。
③不動産会社や営業担当者の誠実さ、信頼性
・会社の経営理念や方針は顧客第一主義か。
・お客様ファーストのホスピタリティ精神があるか。
・物件説明において、長所短所も誠実に細やかに説明を尽くしているか。
・購入の手続きばかりでなく、銀行融資、税金等、お客様を満足させられる専門知識があるか。
もしも、報告・連絡・相談が悪い担当であるならば、
業者の選定自体を考え直す必要はありますが、
客観的には上記①と②で決定要因の大半を占めます。
上記3条件に、あえて不動産会社のヤル気と書かなかったことには理由があります。
それは、そもそも売主であるあなたがヤル気の無い業者に頼むことはしないだろう
という前提に立っているからです。
売り土地、中古住宅、中古マンションの不動産広告において情報量がほぼ変わらないこと自体に違和感を感じませんか?
もしも、あなたが不動産業者を変えることで、状況を好転させたいと考えるにしても、この記事で述べている「広告マーケティングスキル」を持ちあわせていないのであれば、根本解決にはいたりません。
結果的に、「値段を下げて買い手が見つかり、ようやく成約に至った」という落ちになってしまいます。
不動産仲介は成約して初めて報酬を受け取れる仕事です。
そのため、「そんなに高ければ売れません。もっと値段を下げましょう!」と、業者は売主さまに対して価格を下げようとす圧力をかけてきます。
自分たちの販売手法を見直すこともなしに...
しかしながら、このような現状に辟易している売主さまは決して少なくありません。
何においても大事なことは、
購入の決定要因のうち、
業者の魅力よりも物件の魅力が優先します。
ただ単に不動産業者を変えても、販売手法が変わらなければ、根本的な解決には至らないので注意しましょう。
不動産の売却で、「失敗しない不動産業者選びの秘訣」を教えます。
4.問題解決のためのステップ
原因究明を正しく行なえば、ゴールはすぐそこに。
すぐに価格を下げるのではなく、
魅力的な広告づくりで仕切り直しです!
物件の魅力を徹底的に広告で表現し、価格<物件の魅力の状況を作るのです。
伝え方ひとつで商品の価値は変わります。
戸建てやマンションなどの住まいを売却しようとするとき、媒介を委ねた不動産会社の営業マンは、売主に代わって販売活動をし、売主の利益を最大限に守りつつ買い手と交渉する存在であり、言わば売主の大切なパートナーです。
そしてまた、実際に広告づくりを行なうのは不動産会社の仕事になりますので、業者の協力は不可欠です。
最後に、なかなか売れずに困っている状況から脱却するために、売れる不動産広告づくりの視点から、どのような業者を選ぶとよいのか、あなたが取るべき具体的な行動を示した記事を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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