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2020年05月26日
不動産売却の知識とノウハウ

ツーバイフォー住宅の火災保険料が木造軸組(在来)工法の半分以下に安い理由

家を新築する、または中古住宅を買う局面を迎えなければ、日常生活においてそうそう建物の火災保険料のことを考える機会もないわけですが、実はツーバイフォー住宅の火災保険料は木造在来工法住宅の半分以下だということをご存知でしたか。

ツーバーフォー工法とは

アメリカでは木造住宅の約8割がツーバイフォー住宅です。

ツーバイフォー工法がアメリカから日本に渡ってかれこれ40余年が経過しました。

わが国においては、阪神淡路大震災以降、耐震性で圧倒的な強さを見せたツーバイフォー住宅が注目を集めていますが、在来工法に比べてツーバイフォー住宅の建築費は坪単価で約47,000円ほど割高です。

このため、着工件数で比較すると木造在来工法住宅は全体の約7割を占めるのに対し、ツーバイフォー住宅は全体の約1割、その差は7倍です。

 

また、6大性能と呼ばれる耐震性・耐火性・耐風性・気密性・断熱性・耐久性に優れた性能をもつツーバーフォー住宅は、年々着工件数を増やしています。

ツーバイフォー住宅の火災保険料が安い理由

ツーバイフォー住宅の建築現場を見た人ならおわかりでしょうが、1階の床を作って(プラットホームにして)から壁パネルを立ち上げ、さらに2階床を作ってから壁を立ち上げ…という工程で進みます。

 

ツーバーフォー住宅は耐火性にも優れると言われるのは、実はこの建て方によるもので、つまり床から壁、壁から壁へと空気が流通しない・させないところがポイントです。在来工法に比べて3割厚いプラスターボードを使うからという理由だけではないのです。



火災時に燃えにくい、燃えるまでに時間がかかるので、在来工法住宅よりも全焼リスクが低い。

 

大手損害保険会社はツーバイフォー住宅の耐火性の高さを歴然と認めているわけです。

なにしろ、火災保険料が在来工法の2分の一以下で安く済むなんてリーズナブルですね。

 

また、燃え広がるまでに時間がかかるということは、その間に避難できるため、人命を救えるという視点においても優れているわけです。

ツーバイフォー住宅であっても、火災保険料が安くならないケースに注意!

火災保険において、分譲マンションなどの鉄筋コンクリート造(RC造)は耐火建築物で、ここでお話したツーバイフォ-工法は省令準耐火建築物に分類されます。

ちなみに、木造在来工法は非耐火建築物です。このように分類されていることから、いついかなるときも省令準耐火構造と判別されるかといえば、実は例外があるのです。



用途地域が定められた市街地で建築する場合は心配いりませんが、リゾート別荘地のような都市計画区域外で用途地域の指定を受けていな地域で建築する場合は要注意です。

わかりやすいように、上の写真で解説します。

写真に破風(はふ)や鼻隠し(はなかくし)といった屋根の部位を記載しました。

 

この破風や鼻隠しと呼ばれる部分を鉄板(屋根板金)で包み込む(耐火被覆)しなければ、省令準耐火構造と認定されません。

 

破風板は雨風を防ぐばかりでなく、火災時に窓から上がった炎を屋根内部に到達させない、隣家からの延焼を防ぐなど重要な役割を果たす部位です。


建築行政においては、一般的に都市計画区域外では建築確認申請は必要なく、工事届けのみ必要とされていますので、破風や鼻隠しが耐火被覆されていなくても行政から指摘は受けません。

 

ついデザイン上の理由から“木”で仕上げたりすると、火災保険加入の段で省令準耐火建築物と認定されず、「あれ?ツーバイフォーなのに保険料は在来工法と変わらないの?」という事態を迎えます。

地味な部分ですが盲点になりやすいので注意しましょう。

 

省令準耐火建築物か否かの確認方法

これからツーバイフォー住宅を新築、または中古住宅として購入される方は、ツーバーフォー=省令準耐火と先入観をもたずに、次の方法でしっかり確認しましょう。

 

<確認方法>


1.建物構造証明書で確認
施工者、ハウスメーカー、設計者または販売者に「建物構造証明書」を交付してもらえるかどうか確認しましょう。交付されない場合は、前述のように木造在来工法の建物と同じ非耐火建築物として、火災保険料を計算します。

 

2.建築確認申請書で確認
建築確認申請書の第四面の「5.耐火建築物欄」に「省令準耐火」という記載があるか確認しましょう。

 

3.現地で破風を目視確認
先に紹介しました屋根の破風や鼻隠しが耐火被覆されているかどうか、現地の仕上がりを確認しましょう。

 

 

書類と現地確認を合わせれば心配ありません。

これを押さえておけば、思わぬ落とし穴にはまらずに済みます。

ツーバイフォー住宅を取得、購入される場合のチェック事項として、今後のために覚えておいてください。

 

 

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この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
函館ラ・サール卒。商船系データ通信会社から建築・不動産産業界へ転身。宅地建物取引士+二級建築施工管理技士。ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算25年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
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