いざという時に慌てないための「不動産を売る前の簡単セルフチェック7項目」
春になったら、不動産会社に依頼して、住まいを売ってもらおう。連絡するのはそのときでいいかな?
ところが実際に、不動産会社に連絡してみると『○○の手続きを完了させてからでないと、トラブルの原因になります。まずはそこを整備しましょう』ということで、販売の開始まで数ヶ月を要した。なんてこともあり得るのです。
実は、不動産の所有者から依頼を受けて、すぐに販売をスタートさせられる物件ばかりではありません。販売(広告掲載)のステージに乗せるために、わたしたち不動産会社は「商品化」する作業を行なうことを知っておきましょう。時間に余裕がある人、またすべてを業者任せにしないで、ある程度は自分で準備しておきたいと考える人のためのセルフチェック項目は知っておくだけで、その後の流れがスムーズになります。
1.権利証は有りますか
所有権を買主に移転するための登記申請には、権利証(登記済証)または登記識別情報通知書が必要です。万が一、紛失してしまっている場合には再発行ができませんので、資格者による本人確認制度や事前通知制度を利用して対処することになります。
【参考記事】
2.土地建物の登記事項に変更はありませんか
よくある例としては次のようなものです。
・引越し前の古い住所のままだった。→住所変更登記が必要です。
・完済済み住宅ローンに抵当権設定登記がまだ残っていた。→抵当権抹消登記が必要です。
3.相続で取得しようとする場合
遺産分割協議を終え、相続による所有権移転登記手続きはお済みですか。相続人間の権利に関わるトラブルは長期化する恐れがありますので、できれば不動産売却を業者に依頼する前に、相続登記を済ませておきましょう。
【参考記事】
4.過去に建物の増築があった場合
増築部分の登記はお済みですか。
増築があった場合、宅建業者は販売前に、用途地域で指定された建ぺい率や容積率がオーバーしていないかをチェックします。違反建築物か否かを調べるためです。
また、増築後の図面があれば、権利証と一緒にひとまとめにしておくと良いでしょう。
5.土地の境界標(境界杭)は、全箇所に有りますか。
敷地の境界標が、土に埋もれたり落ち葉に隠れていたりしてないかを確認し、ひと目でわかるように現しておきましょう。
実は土地の紛争のうち、敷地境界線を工作物等が越境していることによるトラブルが全国的かつ圧倒的に多いのです。(越境トラブル解消のために実践テクニックはこちら)境界標の確認とあわせて、自身のあるいは隣地の工作物や建物(屋根)などが境界線を越えていないか、目視で確認してみましょう。
【参考記事】
6.建物に不具合や欠陥はありませんか
不動産、特に中古住宅などでは「現状有姿」で引渡しを行なうことが多いので、所有者(売主)が不動産売却に先立ちリフォーム工事や修理を行なう必要はありません。
しかしながら、すでに把握している不具合や欠陥は紙に書いて整理しておくと、売主が記入する告知書作成の段で悩まなくて済みます。
7.過去に実施したリフォーム工事の履歴は残っていますか
次のような箇条書きでかまいませんので、紙に書き出しておきましょう。
・平成○年○月に屋根外壁の塗装を行なった
・平成○年○月にシステムキッチンを新品に取り替えた
・平成○年○月に雨漏りが発生したが、○○工務店に△△工事をやってもらって修理済み
この場合、リフォーム工事内容とともに依頼した建築業者名や連句先までまとめておくとよいでしょう。
不動産売却をまかせる仲介業者に依頼すると、ここに述べた事柄に対する点検や専門家への手配(別途有償)は全部行なってくれるので、すべてを不動産業者に任せる形でもかまいません。
しかし、ある程度は自分自身ですっきり整理しておきたい人や、自分でやらなくても不動産を売る前の点検項目程度は理解しておきたい人は参考にしてみるとよいでしょう。
不動産を売却する際、失敗を避けるために予め読んでおきたい記事
関連した記事を読む
- 2022/01/28
- 2022/01/04
- 2021/12/23
- 2021/12/17