9:00 - 18:00
日曜・祝祭日
2018年12月11日
ブログ

不動産購入における新耐震基準のメリット

昭和56年6月1日より改正建築基準法が制定され、建物の耐震基準も改正されました。いわゆる「新耐震基準」と呼ばれるものです。今日は、耐震基準がどのように変わってきたのか、そして不動産取引においてどのように関係してくるのかをお話します。

建築基準法と耐震基準の変遷

建築基準法の改正より、耐震基準も見直されてきました。

・1950年(昭和25年)                     建築基準法制定
・1981年(昭和56年)6月               コンクリート造・木造 新耐震基準
・2000年(平成12年)6月               木造 現行基準

改正点①|必要壁量の規定

 建築の必要壁量については、建築基準法制定時以降、地震災害を教訓にして改定されてきました。

例えば、建築基準法制定時の重い屋根の木造軸組工法による二階建て住宅の場合で、床面積1㎡あたりの必要壁量(長さ)を比較してみましょう。
 

1950年 建築基準法制定時(旧耐震基準)

1階の壁量 16cm
2階の壁量 12cm


1981年 新耐震基準

1階の壁量 33cm(旧耐震基準の2.06倍
2階の壁量 21cm(旧耐震基準の1.75倍

 
上記はいずれも床面積1㎡あたりに必要な壁量(cm)です。

新耐震基準と呼ばれる昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認を受けて建設された建物であっとしても、現在が2018年ですから経過年数はすでに37年。この間に、1995年阪神淡路大震災や2011年東日本大震災、さらに2016年熊本地震、直近では2018年の北海道胆振東部沖地震など甚大な被害をもたらす自然災害が起きているので、耐震基準見直しの必要性は高まっています。


但し、民間の建築現場ではこれら大震災の教訓を即座に活かし、耐震性を高めるために建築工法に改良を加えていますので、これから家を新築されるユーザーがやみくもに不安を抱く必要はありません。

改正点②|木造軸組みの設置基準

壁の長さ(必要壁量)だけでなく、壁の設置バランスも重要であるため、2000年に改正されました。(建設省告示1352号)


従来
建築基準法には「釣り合いよく設置すること」と記載されていました

 
新基準
・偏心率30%以内であること
・桁(けた)行き方向及び張間(はりま)方向別で、それぞれの両端から4分の1ずつの存在壁量が2倍以内であること


新基準においては具体的に定められました。
偏心率とは建物の重心と剛心によって求められる数値(指標)で、構造力学で使われる用語です。偏心率は数値が小さいほど良く、それは構造部材がバランス良く配置されていることを意味します。

また、桁行き方向と張間方向の壁量については、建物の四隅の壁量が特に重要であることを示したものです。

改正点③|木造の継ぎ手や仕口(しぐち)の規定

木造の接合部の方法が、2000年に具体的に定められました。(建設省告示1460号)


従来
建築基準法では、「くぎその他の金物を使用」とだけ記載されていました
 

新基準
・筋交いのサイズによって、筋交いを止める金物の指定
・柱の位置、耐力壁の強さで柱を止める接合金物が指定された。強い壁には強い金物を使用することが規定。

この改正は、柱と筋交いを緊結するための「筋交い金物」や、基礎や土台と柱を緊結するための「ホールダウン金物」を使って、構造躯体の強化を図ろうとしたものです。

中古住宅購入と新耐震基準の関係

時代の変遷とともに、建築基準法の改正により耐震基準も改定されてきました。不動産取引の中で、中古住宅が対象である場合、よく「新耐震基準であるかどうか」が焦点になりますが、そこには多くのメリットがあるからです。

 
<新耐震基準のメリット>

・住宅ローン控除

・登録免許税が減額

・不動産取得税が減額

・既存住宅瑕疵(かし)保険に加入できる etc



但し、木造住宅ですでに築20年を過ぎている場合は、耐震基準適合証明が必要になります。今回のブログを契機に、新耐震基準に関心を寄せてみてはいかがでしょう。

この記事を書いた人
藤原 滋己 フジワラ シゲキ
藤原 滋己
ハウスメーカー勤務時代に、木造住宅の工事監督のちに住宅・アパート・店舗・寺院など様々な建築物の営業を経験しました。建築不動産の営業歴は通算22年。 安心かつ安全な不動産取引のために、これまで培ってきた知識や経験・ノウハウを、お客様へのサービスのために全力で提供します。遠慮なく何でもご相談ください。きっとお役に立ちます。
arrow_upward